実は、昨日この作者が学校に来日しまして。(これが初の日本上陸らしいです。ほー!)
そのことを前々から掲示板に貼ってあったので知ってはいたものの、レッスンかぶってるから無理かなあと思っていたら、先生がむしろぜひ行ってきなさいと勧めてくださり、参加できました。
(ありがとうございました!)
事前にアマゾンでポチっとして、結局これ受講した時は3分の2までしかいけなかったんですけど・・・
講習はその内容を知らずともとても有意義で、楽しい時間でした!
その著者、アンジェラ・ビーチング氏は現在マンハッタン音楽院(趣のあるいい学校でした~)で、ディレクタとして働いてらっしゃる方です。進路アドバイス的な立ち位置なのかな。
もともとはチェリストであり(今も?)、今はコンサルタントのような仕事をしているとのことで・・・
この本の内容もとてーも多岐に渡ります。
たとえば私が心理学をかじったような本で得た知識や、ビジネス書を何冊か読んで得たものが、
ほぼすべてここに集約されているといっても過言じゃないです。
たとえば
- お金関係の話(確定申告とか!大事よ!)
- 演奏するための準備(精神的部分も、フィジカル的部分も)
- ステージマナーって言うけど・・?
- 書類関係の話(契約書ってどうやって作るの?)
- 自分の宣伝のために何をどう準備すればいいの?(宣伝写真とかプロフィールとか履歴書!)
- 実際どんな機関がどんな助けをしてくれるの?助成金事情教えて!
- どう売り込んでいけばいい?
などなど、「そんなもんなんとなくわかるようになるさ」で放置されていたことやら、実際聞きたいけど聞きにくいかもという話まで、
職業演奏家としてやっていくためには知って損はない話が網羅されています。
更には、誰も教えてくれない話の例として、いい握手の仕方とそうじゃない握手の仕方なんてところにまで話を伸ばしています。
そこまで教えてくれちゃうの?過保護じゃない?と思うかもしれませんが、まあ逐一変わる部分もあるし。ここにすべての答えが乗ってるわけじゃありませんが、少なくとも、「あ、そういえばこれってどうやるんだろう」と疑問を提示してくれるでしょう。
もともと、私は職業演奏家=自営業であるから、自分で切り盛りしていかなければならない。
それは起業家ともいえるだろうし、社長という言い方も出来るかもしれない。
更には、どんなチャンスがいつめぐってくるかもわからない、いつでもそのチャンスを掴めるようにしておく事が必須であり、それはつまりいつでも就職活動中みたいなものだから、
まあキャリアの半分以上は就活みたいなもんですよね。
つまり。
音楽家= 起業家 × 一生就活
なんかこんな感じなのかなあって思っていたんです。
(あとはプロジェクト・ベースで仕事を動かしてるようなところがあるので(しかも同時進行でいろいろ。決まったオフィスもないし)、巷で流行りの?、ノマドワーカーみたいな感じとも言えるか?)
そしたら、やはり著書の中でも、音楽家は起業家である、というような趣旨のことが書いてあって。
ちょっとびっくりしたけど、あ~間違ってなかったのかなあなんてひっそり答え合わせをした気分になったり。
勿論、演奏がしっかり出来るのは当然ですが、残念ながら生き残るのが演奏が上手い人、とは限りません。
それに、演奏が上手ければいいやみたいな、そういう考え方では職業としてはやっていけないのが現実。
振る舞いも大事だし、そういったことにも話は及んでいて。
私も実際コンサートをやった時に、知り合いからお金をもらうなんて(しかもプロじゃないのに)、なんだかなあと引けを感じたことはありましたが、
多分その感覚って一生続くんです。 どっかで何かしなければ。
お金は降ってこない。ならば生み出すしかない。そのためにはどうするか?
こればっかり考えても、って思うかもしれませんが、ここを考えられなければ次のプロジェクトも進行出来ませんし。
ビジネス感覚を養う手助けになるかもしれません。
ステマ(ステルスマーケティングの意。平たく言うと「やらせ」ですね)ではありませんが、この本はほかの本3冊買うよりお勧めです。
・・・あ~、本も、それなりの値段が付く=それだけ価値がある、ということなの、か・・・?
とはいえ、大本はアメリカのものなので、日本だと違う場合も結構あります。(大体は「日本では:」とついていますが)
翻訳本特有の読みにくさもあまり感じることなく読み進められました。
時間がかかってもいいですし、順番通りに読まなくてもいいと思います。今必要なことを、必要に応じてみるのもいいかもしれません。(辞書みたいな感じで)
でもやっぱひとつ文句があるとすれば、やっぱりお値段です・・・
ちょっと学生には手を出しにくい。(それだけ出す価値があるとしても。)
ちなみに3000円+税です。 貧乏学生暇なし金なしなのにみたいな。
(ただし、くどいですがその値段出す価値はあると思います。)
これって、電子書籍なら多分もう少しローコストでいけるんじゃないか?と思うんです。
装丁や物流にかけるコストをカット出来ればいいのでは??と。
勿論、その辺はちょっとよくわからないのでなんとも言えませんけど、
それでも電子書籍のものって、普通の紙の本より安いですよね。
Kindleや7インチタブレットが主流になれば、こうした良書も広く行きわたるのではないかなと期待しているのですが、果たして。
(著作権の問題などなどいろいろあるとは思うのですが、そこもどうかパスして頂きたいですね。)
あるいは、英語を読めるようになるといいと思います。(私もそうなりたい・・・)
何せ、英語版なら、翻訳とかしないわけですから。1000円ぐらいです。・・・円高とはいえ3分の1の値段って・・・
なんかその3000円の中に何が含まれてるのか気になりますけど、・・・ええ気にしないことにしますよ、はい・・・。ひーとみぃーをとぉーじてえー・・・
余談ですが、サインまでちゃっかりもらいました。
ということで、相変わらずミーハー全開のKでした。 興味あればぜひぽちっとしてみてください。