2015年10月31日土曜日

連続Blog小説「レジェール 〜そのリードは最強か」 -INDEX

Index of レジェール 〜そのリードは最強か

第1話
第2話
第3話
第4話


ちなみにご参考まで。

ソプラノ、アルトはレジェールとケーンのリードが共存しています。テナー、バリトンに関してはまだやってないので、続編かあるいは「百聞は一見にしかず」。アナタの目と耳でお確かめ下さいNe★

2015年10月27日火曜日

連続Blog小説「レジェール 〜そのリードは最強か」 第4話

「ケーンのリード、略してケーンです。小市民じゃねえよ?
なんかしゃべれって言われて来てみたわけだが、あんま俺しゃべんないんだよ。前回までの話って言われても難しいな・・・
要は、Kがレジェールとか言う若造樹脂製リードに入れ込んでたんだけどな、その関係が崩れるかもしれないなっていうのが前回までの話だ。こんなとこで良いか?
・・・え?俺とレジェールが共存出来るのかって?
同じ瞬間には出来ない。リガチャーがマウスピースに固定できるリードの数は、ひとつだけだ。
それもそうだろ?2つ出来たらダブルリードになっちまう。ま、2枚付けられるんだったらそもそもマウスピースもリガチャーも要らなくなっちまうが、んまぁ俺たちはチームだからな。あいつらが、俺には必要なんだ。
さて、今回これが最終回らしいじゃないか。ここまで俺はKを見守ってきたわけだが、まあ俺のところに戻ってくるっていうんだったら、俺は一向に構わない。基本的に、去る者追わず、来るもの拒まずってなスタンスだし、な。」


・v・


怪訝そうな表情で、レジェールが言った。
「どういうことだよ。俺は、タフなリードだぜ?」
レジェールを横目にやりながらも、Kはケーンのリードのパッケージを手にし、開けようとしていた。
「確かにあなたは、ケーンっていう草食系なんかにはないタフさがあるわ。肉食べないけど肉食系よ。私がガツガツいこうと、対応してくれるし、ツッコミの切れもいいし。」
「・・・そこまで褒められるとちょっと照れるんけどな。」
「でも、やっぱり大きな音を吹こうとすると、時々耐えられてないのよ。だから音が潰れてしまうし、それはつまり表情の豊かさがなくなる。でも私はそんなあなたを見たくないの...!!!
そう思ったら、いつの間にか自分を抑え込んでいたの。それでもしばらくは上手くいってたと、そう思っていたから・・・。」
リードのパッケージを開ける手を止めようとしない。Kはそのまま、小分けにされているリードたちを自分の元に迎い入れようと開封していく。
「でもある日、気がついたの。なんか最近ヘタってくるなって、そう思うことが多くなってきて。それも吹き始めて結構早いタイミングで。」
「ヘタるってなんだよ!トマトのヘタか!」
「そういうこと言ってんじゃないの!!! しなってくる!音が薄くなってくる!貧相な音しか出てこなくなる!こう言えばいいの!!??」
そう言うKの目には、涙のようなものがうっすらと見えた。
「それは・・・ ただ、俺のせいかもしれない・・・。
そうだ、多分それは俺のせいってだけで、他のレジェールに言えばそんなことはないぞ、あぁ、そうだ、そうに違いない。だからほら、五代目のレジェールを買えば・・・!」
耳は貸す、がしかし、Kの手は止まらない。
「もう・・・ 終わりなのか・・・? 俺たち・・・」
ちら、と視線をやったKは言い放つ。
「別に。」
「なんか・・・ 言ってくれよ・・・」
「特にありません。」
「エリカ様かよ。」
「まあ、」開封したばかりのケーンのリードをつけ、リガチャーのネジを締めながらKが言う。
「別にあなたを使わないなんて、一言も言ってないわ。」
「・・・え?」
レジェールは、一瞬彼女が何を言っているのかわからなかった。
「だから、ケーンに一本化するなんて、誰が言ったの。」


・v・


このやり取りの1時間前のことである。
Kは楽器店に居た。
自分の欲しい音が出ない。ー確かに、弘法筆を選ばずなどというものの、道具のチョイスは大きく演奏に反映される。特にリードという、音の源ともなれば特にそうである。
欲しい音を出すには。どうすればいいか。
彼女は、今の居心地の良いコンフォータブル・ゾーンから一歩外へ出てみようと思ったのだ。となると、マウスピースか、リガチャーか、リードか。
迷った末、先生の助言もあってリードを変えてみることにしたのだった。
「それをそのまま継続して使わなくてもいいと思う。ただ、違うものを使うことで、新しいインスピレーションを受けるというのは、悪く無いと思う。」
この一言が、Kを楽器店にまで連れて行ったと言っても過言ではないだろう。

気がつくと棚に所狭しと並ぶリードを取り、ぢっと手を見る。
「・・・啄木か、って突っ込んでよ・・・」
ケーンに向かって話しかけた。
「ていってもなあ。俺フランスの工場から真空パックされて日本来てるから、まだその日本式のノリツッコミ慣れてないんだよ。」
「じゃあエスプリの1つや2つきかせなさいよ・・・!」
「・・・ザブジュバン・・・」
「は?!」
「・・・ァザブジュバン・・・」
「わかりづらッッッ!!!!」
ていうかそれ、エスプリと言えるのか。Kはものすごく問いたかったが、
「良いのか? 俺はレジェールみたいな反応の良さもタフさもツッコミの鋭さもないぜ。もしかしたらそんなヤツがパラパラいるかもしれないが、な。」
と続けられたので我慢し、答えた。
「別に・・・。 アナタだけを使うわけじゃないから。」
「は?」
「まあいいから。私んとこ来なさいよ。」
ケーンはそのまま、レジに連れて行かれた。


・v・


数日後。
Kの楽器ケースの中には、レジェールとケーンのリードが共存していた。
「一体どぉなっちゃってんだよ。」
レジェールがケーンに話しかける。
「何でお前と俺が共存してんだって言ってんだよ、おーい」
「お前よくしゃべるなー、レジェールだっけ?」ケーンCが答えた。
「いや、その前に岡村ちゃんかー!って突っ込んでくれないかなあっ。ったく、お前ら10本もいりゃあよぉ、そういうツッコミ出来るやつもいるだろ?なあ?」
といっても、レジェールと違って彼らは実際に音を出してみないとどんな音を出してくれるのか、どういう状態なのかよくわからない。言わばポーカーフェイスなのである。
「まあツッコミは良いや。ところで、俺たちこのあとどうなんの?」
「・・・お前、所詮樹脂だな。」
ケーンのリードDが呆れながら言った。
「お前は今後、俺たちと一緒だ。俺らは基本1箱に10本入っている、いわば10人でひとチームであり、ローテーションしながら使われ、選別されていく。
お前は今まで、言わば"ヘビロテ"でずっと使われてきたがな、その一人勝ちはここまでだ。お前は、ローテーションの、言うなれば11本めになるんだ。」
「・・・え? 俺も歯車的な感じで回るわけ??」
「そう。しかもお前の場合、俺達と違ってトクサで削ったりとか加工出来ない分、考えようによっては柔軟性に欠けるってわけだ。」
「そんな・・・! で、でもタフさなら、」
「キミの方が上だって? そうとも限らないと思うけどね。だからこそ、僕らは5本とか10本とか入ってるし、こっちは戦略で勝負出来るからね。」
ケーンEは軽そうなクセにチクチクとつついてくる。どうも、うる星やつらだ、などとレジェールは思っていた。

「だ、だったら勝負だ!11月7日土曜日 新百合ヶ丘の昭和音大サクソフォーンオーケストラの本番で、Kはどっちを使うと思う?え?
やっぱ乗り番がそれなりに多くてってなったらケアが簡単な俺だ。あぁ、そうに違いない!」
テアトロ・ジーリオ・ショウワにて14:30開演のあれか? だからこそ、俺の出番じゃないのか?あいつ、きっとその前の文化祭あたりで試して、俺たちを選ぶと思うけどな。」
「でもまだ時間はある。ってことは、もしかしたら他のレジェールを選んで使ってくれるというパターンもあるな!5代目・・・!」
「でも5代目って徳川だったら綱吉だろ、生類憐れみの令、ってことはやっぱり生物の僕らにも勝ち目があるってこと?」
ケーンFはどうやら歴史に詳しいようだ。
「徳川かよ!!!!!!! Kは歴史に弱いからな!!!それはないと思うぞ!!!はんっ!!!」


そんなやり取りを知ってか知らずか、Kは今日もいい音であるか自問自答しながらも、理想に向かってひた走るのであった・・・。

「吹きづらッッ!!!」


<< 完 >>


キャスト:
K- サックス専攻の音大生。外食のメニューは10秒程度で決める、自称即決女子。
レジェール- 樹脂製のリード。状態変化が少なくタフさを自負する、自称最強のリード。
ケーン- ケーン(植物)から作られたリード。音の良さでは定評のある、自称老舗リード。
男女- 夜な夜なバーで語り合う、暇な人達。

〜この物語は個人的な主観を元にしたフィクションです。
実在の個人・団体とは一部を除き一切関係ありません。



人気ドラマだとこのへんで「映画化決定!!」だな。

連続Blog小説「レジェール 〜そのリードは最強か」 第3話

前回までの、「レジェール 〜そのリードは最強か」 。

ずっとケーン(植物)のリードの管理に悩まされていたKの前に突如現れた、レジェールなる樹脂リード。
二人は出会ってすぐに親密になるも、レジェールが怪しいと睨むケーンのリードは黙ってKを見守っていた。
この物語は、樹脂リード・レジェールとケーンのリードの間で揺れるKの女心を綴った物語である。


・・・あれ? 物語変わってね??



登場人物:
K- サックス専攻の音大生。いい音が出て吹きやすいリードだったら正直なんでもいい。
ケーン- ケーン(植物)から作られているリード。別名生(なま)のリード。生、と言われる度に「俺はパスタか!!」と突っ込んでいる。
レジェール- 樹脂製のリード。種類がレジェールと、レジェール シグニチャーとあるが、「真のレジェールは俺だ!」と信じて疑わない。
男女- 薄暗いバーで夜な夜なよもやま話を繰り広げる。今回レジェールが接触するが...?


ΦωΦ


万能なモノ、など存在しないー・・・。
そんなこと、レジェールはとうに知っていた。

「オレもまた、完璧じゃない。そんなこと、わかってる、わかってるんだ・・・!」
レジェールは語気を強めて言った。すっかり酔いが回っていて自制が効かない。
「どうやら、今夜は飲み過ぎたようね、レジェール。」
女は水を差し出し、レジェールに渡した。
「・・・すみません・・・。なんかもうオレ、どうしていいかわかんなくて・・・」
水を一口飲むと、レジェールはうなだれた。
そこに、一人の男が来た。
「どうしたんだよ、若いの。さてはフラれたか?」
「いや・・・ 別にそんなんじゃないんですけど・・・ でもなんていうかもう、どうしていいかわかんなくて・・・」
「まぁ飲めよ。俺で良ければ聞くからよ。マスター、彼に俺と同じのを。」
「ちょっと。今飲み過ぎって水渡したばかりなのに」と女性がオーダーする男を窘める。
「お、そうか。すまないな。」
「いや、ありがとうございます。もうちょっと飲みたいんで・・・」
そう言うと、マスターから差し出されたグラスを手にし、乾杯をした。
「そんで? どうしたんだよ。」
男が目線をレジェールのほうにやると、レジェールは静かに、
「どうやら彼女、元サヤに戻ろうとしてるみたいで・・・。1週間ぐらい前の事なんですけど、」
と言い、ぽつりぽつりと語りだした。

「あいつ・・・ Kって言うんですけど、どうやら音色で悩んでいるみたいだったんです。実際、俺ってタンギングしにくいらしいんですよ、あいつにとって。でも克服してくれたし、フラジオにだって対応出来るから、俺大丈夫かな、って、そう思ってたんですけど・・・
根本の、音色に関してずっとフラストレーションがあったみたいだったんです。でも、俺はその・・・ あいつの気持ちの機微を・・・ 感じ取ってやれなくて・・・。
そんなある日のことです。あいつ、ケーンを買ってきたんです。ケーンのリードを。
前から確かに、ソプラノに関してはケースにケーンのリードが常備されていたから、たまに吹いてたんです。でも結局俺のもとに戻ってきた。
だから、大丈夫だろう、俺はまだ、絶対的な信頼を勝ち得ているだろうって、そう思ってたんです。なのに・・・
気がついたら、新しい箱がもうひとつ増えていた。新しいケーンのリードを手にしてたんです。

それでも、まだ諦めてないんですよ、やっぱり結局オレのところに戻ってくるんじゃないかって、そう思ってるんですよ。だって、オレがいないとあいつ、ダメなんすよ。
ケーンみたいなあんな状態不安定になりやすくて、湿度に弱くて、バランス感だってバラバラしてるじゃじゃ馬、ただでさえKがじゃじゃ馬なんだ。扱えないんですよ。
じゃじゃ馬のKにはオレが必要だって・・・ そう、思ってきたんです・・・。
そういう、オレの強みが、倍音の問題だって克服出来る、ってそう信じてきたんです・・・!」
「倍音?」女が身を乗り出して聞いてきた。
「オレもちゃんとはわかんないんすけど、たまに言うんですよ、あいつが。」
レジェールは、1週間前のKとのやり取りを思い出していた。


(ΦωΦ)


「違うんだよね。アナタとケーン。」
「そりゃそうだよ。」
まだリガチャーとマウスピースに固定されていないレジェールが答えた。
悩ましげな顔のKが続けて
「やっぱ・・・ そろそろ潮時なのかなあ、って」
「え?」
「前々から考えてたの。どうしたほうがいいかって。それに、別にこれで永遠に別れるってわけじゃないんだから。」
「おい、ちょ、待てよ!!」
「あなた、そんなキムタクの安いモノマネで私のココロがつかめるとでも?」
Kがバナナで釘が打てそうな冷たい視線をやった。
彼女は、たまにボケをかましたり、自分がボケをかました時に乗っかってくれる、そして何より吹奏感に無理のないと感じるいまのレジェールが嫌いになったわけではない。
だからこそ、どうしようかと思案していたのだ。
「・・・音がさ。薄っぺらいっていうか・・・ 倍音がないっていうか・・・」
「ば、ばいおん・・・!?」
「いや、実際倍音と呼べる代物なのかはわからないの。でも、やっぱり音のふくよかさが違う、響きが違う、夢が違う、ほくろが違う・・・」
「イミテーションゴールドかよ」
「そう、その反応!やっぱりアナタが今のところピカ一だと思うのよ。あ、ツッコミの、じゃなくて息を入れた時の反応の話よ。」
「だったらどうして・・・! 音か?音のことなら、もしかしたら俺が劣化してきただけの話かもしれないだから他のレジェールに言えばきっと・・・!」
「違うのよ。そうじゃなくて。
いや、それもないわけではないけれど、あなたも樹脂とはいえやはり生きものなのかもしれないって・・・」
そう言うと、Kはリガチャーのネジを緩め、マウスピースからレジェールを取った。

「あなた実は、熱に弱いんじゃない?」

「え・・・?」


次回、連続Blog小説「レジェール 〜そのリードは最強か」 第4話、ご期待ください。


〜この物語は、個人的な主観を元にしたフィクションです。
実在の個人・団体とは一切関係ありません。


黒いのがマウスピース。
そしてそれにくっついてる金色のがリガチャーであるが、
このリガチャーがないとケーンのリードもレジェールも固定出来ないのである。



ちなみに次でラストの予定です。レジェールの運命やいかに!?!?ナンツテー

2015年10月26日月曜日

連続Blog小説「レジェール 〜そのリードは最強か」 第2話

サクソフォンを鳴らすもの。

それは、リード。

(中略)

しかし時は流れ、今日ではその常識が覆されようとしていた。
(あれ?略し方雑だった??まぁ1話目から続けて読んでよ!)


この物語は、リードに踊らされる一人のサクソフォニストとリードの、出会いと別れを綴ったものであるー・・・。



登場人物:
K- サックス専攻の音大生。フジの10時台のドラマに出てきそうなめんどくさい仕立て。
ケーンのリード- 10本で3000円弱の草食系リード。
レジェール- 1本で3000円程度の樹脂系リード。
男女- 薄暗いバーカウンターで夜な夜なよもやま話を繰り広げる二人組。


`・ω・´



日付が変わろうとしている頃。男女が薄暗いバーのカウンターに居た。
「リードに踊らされる、か。赤い靴の話を思い出すな。」
男がそう言うと、右手に持ったグラスから乾いた氷の音がした。
「アンデルセン?横浜で走ってるバス?」
「前者だ。サックスを吹くっていうのは、赤い靴を履いて踊り続けるカーレンのようだな。カーレンは最終的に両足を切断され、そしてその後も赤い靴を履いた両足は彼女を置いて踊り続けるんだ。」
「それは・・・ 彼女がサックスをやめるまでずっと踊らされ続けるっていうことの比喩かしら?」
一つ咳払いをしたあと、男が答えた。
「だがな、あいつなら、彼女を救える気がして、な。」
「あいつって・・・」
「あいつだよ。」
そう言って男はグラスに入ったマッカランを飲み干した。


`・ω・´


Kとレジェールの蜜月は、冬を超えてもなお続いていた。

セッティングはコンセプトにBGのリガチャー、そしてレジェール シグニチャー。
サッカーはFCバルセロナにおけるメッシ・ネイマール・スアレスのトリオを彷彿とさせるような最強の組み合わせだ。ーKはそう、思っていた。
吹奏感にストレスがなく、息の通りが良い。簡単に鳴る。そして何より、リードを選ぶ必要がない。
しいて言うなら、実際試奏をして購入に至るわけだから、その時には当然選ぶ必要性がある。しかし、その時だけなのだ。一つ選んでしまったら、とりあえず3ヶ月ぐらいは大丈夫なのである。
無論、その時の自分の使用状況などにもよるし、レジェールにもやはり個体差がある為、それを上手く使い分けるというのもないわけではない。
しかし、レジェールは状態変化が少ない。
その絶対的な信頼は、揺らがなかった。

「音出ししなくても大体こんな感じって、もうわかってるからさ。なんていうか、阿吽の呼吸みたいな?ツーカーっていうの?」
「ツーカーってなんだよ。昔あった携帯会社かよ」
レジェールが突っ込んだ。そう、このぐらい日が経つとKのツッコミグセもどうやらうつるようだった。
「良いツッコミ。アナタは初めて買ったあの夏の日のレジェールじゃないのに。」
「K、あいつは・・・」
「知ってる。私が使いすぎてしまって・・・。随分と献身的だった。劣化してきたことにも気が付かず、いつの間に小さな亀裂が入ってしまった。それに気がついたときにはもう、出会った頃の私達じゃいられなくなったのよ。」
そう言うKの目は、薄っすらと赤くなっていた。
「俺は?三代目?」
「私をEXILE一族の長にでもする気? ちなみにあなたは四代目。」
「去年の夏から1年と2ヶ月ぐらいで4つか。14ヶ月で、・・・割る4だから、・・・」
一緒にいる時間が長いと、どうやら計算が苦手なKの性質までもがうつったようであった。
「3ヶ月に1本ってなところだろ? で、どう?俺ってなかなかタフだろ?」
そう言ってレジェールはタフさをアピールしながら、今日も不動のスタメンの座につく。これが、最近のレジェールのルーティーンである。
Kは彼をスタメンとして起用する。それが、声にはしないが絶対の信頼を示す、唯一の方法だった。



しかし、サッカー選手が怪我だの脱税だのでチームを離脱するように。
その黄金のトライアングルはいつまでも続かない。

トライアングルのバランスが崩れるきっかけ。
Kの場合、それはアルトではなくソプラノにあった。


「だから、俺は警告したはずだ。」
ケーンのリードAが言う。
「あれは、パンドラの箱なんだってばよ・・・!」
同じくケーンのリードBがナルトを引用しながら呟いた。




`・ω・´



野外でのコンサートの際のレジェールの安定性をソプラノでも手に入れたい、と思ったKは、ある日リペアついでに楽器店に行くことにした。
「すみません、ソプラノのレジェールを購入したいんですけども・・・」
Kは店員に話しかけた。すると、快い笑顔で
「かしこまりました。今お持ちしますね」
と答えた。
その楽器店の女性が持ってきたのは、4本。
どんな面々が揃っているのか・・・ ドキドキしていたKは、一本一本吹いていった。
ケーンのリードに比べ、レジェールは少し滑り易く、固定するのがやや難しい。リガチャーで固定しようと思うと、つるりと滑って調整、ということがしばしばある。
手先を少し緊張させながら、固定し、吹いていく。

そして。その中の1本が、言い放った。

「俺んとこ、こないか?」

おかしいな。むしろKが「うちにおいでよ」と言うべきところを、逆ナンというか、いや〜でも性別的にはナンパ、・・・しかし立場的には逆n・・・ ではあったものの、結局その綾小路翔を彷彿とさせる、しかし音色やコントロールの良さというバランスの整っている、なんだかギャップが激しいギャップ萌え系の1本を買っていった。

これでソプラノでもある程度の安定性を確保できる。
これで、ソプラノでも野外の本番だって怖くない。
若さというのは時に恐ろしいもので、こうなると周りがすっかり見えない。陽気な気分のまま、Kは帰路につくのであった。

まさかこのリードが、ソプラノだけじゃなくアルトでのレジェールとの蜜月をも終わらせるかもしれない等とは、全く考えもせずにー・・・!


次回、連続Blog小説「レジェール 〜そのリードは最強か」 第3話、ご期待ください。



〜この物語は個人的な主観を元にしたフィクションです。
実在の個人・団体とは一切関係がありません。


その証拠にマッカランなんて飲んだことないよッッ!!!!!!!! フィクションだから!!!!!!!!!!!

2015年10月25日日曜日

連続Blog小説「レジェール 〜そのリードは最強か」 第1話

サクソフォンを鳴らすもの。

それは、リード。

リードが振動し、あの管体から音が出るのである。

もっとも、昨今では逆手に取ったかのように、マウスピースやリードを必要とせず、まるで金管のマウスピースよろしく唇の振動で音を鳴らすという現代曲もあれど、やはり歌口であるマウスピースにリードをつけ、それをリガチャーと呼ばれる器具で固定する。
その三位一体があって、音はなるのである。


そのリード。
ケーンという植物から作られており、今現在国産のリードは存在しない為輸入に頼っている状態である。
植物というナマモノであるが故に、使っていると状態変化が著しく半永久的に使えるものなど存在しない。

ーと、されていた。


しかし時は流れ、今日ではその常識が覆されようとしていた。


この物語は、リードに踊らされる一人のサクソフォニストとリードの、出会いと別れを綴ったものであるー・・・。



登場人物:
K -サックス専攻の音大生。
ケーンのリード(右)- ケーン(植物)から作られたリード。
レジェール(左)- 樹脂製のリード。




・ω・


「レジェール、良いよ。」
ある夏の日、セッティング(※1)で悩んでいた私に、先生は言った。
「プラスチックとか樹脂とか、今まで良いのないとかおもってたじゃん。全然そんなことなくてさ。俺も今使ってんのよ。」
「レジェールって・・・ 樹脂ですよね。」
「うん、でも普通のリードと吹奏感も変わらないんだよ。シグニチャーってタイプね。」

(※1 マウスピースやリード、リガチャーなど)

この時、私は困っていた。長いこと使っていた道具の消耗が激しい可能性があり、また音色に変化が必要だと言われ、どうしたものかと思っていたのだ。
が、しかし。
実は、既にレジェールを持っていた。だがその時は相性が悪かったのか失敗し、この時の先生の言葉も正直あまり信じていなかった。


通常、リードは0.5ないしは2分の1刻みである。
2、2半、3、3半・・・ というように。
アルトサックスならば、一箱に10本入っており、3000円で少しお釣りが返ってくるぐらいのお値段だ。
レジェールの場合、1本単位で買え、1本で3000円と少し。
これだけ聞くと、普通に箱で3000円程度の通常のリードの方が良いのではないかと思うのだが、レジェールのいい所は試奏をしてから買える。
しかし、通常のケーンから作られたリードは、試奏は出来ないし、何せ吹いているうちに状態変化が激しい。湿度やその日の気候などにも大きく左右されるため、管理もそれなりに神経質になる。


先生の持っているマウスピースに、レジェールのリード。
ちょっと気にはなっている。いや、大分気になっている。
「ちょっと1回これで吹いてごらん。」
そう言われて吹いてみた。ーこれが、私とレジェールの、2度めの初対面であった。

そう、「2度めの初対面」。
おかしい? 日本語としては確かに、おかしい。
しかし、既に知っていると思っていたはずのレジェールではなかった。

それもそのはず、かつて私が持っていたのは硬さを示す番号が「3」のものであった。
この数字は通常ケーンのリードを使っていた時と同じ数字であり、それでいいものかと思っていた。
しかし、先生のマウスピースについているのは、「3 1/4」の数字。
なんと、レジェールは4分の1刻みで硬さのバリエーションがあり、しかも吹いてから購入が出来るので、しっかりと選定がなされているものを先生は私に差し出したのである。

吹いてみて、私は驚いた。

「あなたが・・・ レジェール・・・!?」

「楽器屋で、待ってる。」
間違いなく、レジェールは楽器店の回し者かと言うようなセリフを私に語りかけたようだった。あるいは時をかける少女でも見たんだろうか、このリード。
翌日、私はマウスピース等の道具もついでに一新しようと、友人を連れて楽器屋に向かうことにした。

ケーンのリードAが私に語りかける。
「レジェールにするのか?」
「あいつ、レジェールにするってよ。」
ケーンのリードBも私に語りかけた。
「だってあなた、気分屋ですぐに機嫌悪くしたと思ったら突然私を喜ばせたりとか... もうよくわかんないから...。」
「おい、ちょ、待てよ!! それは俺のせいじゃないさ、K!!」
「気候のせいだったり、魔王のせいだったりするだけさ。」
もう、そんなリードとの不毛な痴話喧嘩をする時間すら惜しい。マウスピースに付けて、良いリードダメなリードと一喜一憂している時間が、レジェールでは省けるのである。
「私は... もうアナタのことで悩みたくないの...!!」
そうして、私はケーンのリードABに告げたのである。
「私達、しばらく距離を置きましょう。」


いざ楽器屋に行ってみると、無事良いマウスピースが見つかり、リガチャーも新しいものを手に入れた。早い。まるで、私の決意を後押しするかのように...!
そしてついに、レジェールを選ぶ瞬間である。

楽器屋により、また在庫状況により異なるのだが、この時は5,6本の在庫の中から選んだ。
レジェールのお値段は1本でケーンのリード一箱(10本)分に相当するが、樹脂の為耐久性に優れており、3ヶ月前後は持つ。ーというのを考えると、経済的でもあり、また状態変化も少ないので天候に左右されないという。
随分と美味しい要素ばかりであるが、だからこそ警戒するのが女という生き物である。

ーそう思っていたのに。

気がつくと、すっかり新しいマウスピース、リガチャー、そしてレジェールという新しいリードを手に入れ、すっかり有頂天になっている私が居た。
練習が楽しみになるゥ〜♪
などと言っている私が居た。

女心と秋の空などとは上手く言ったものだ。
すっかり、頭の中は新しいマウスピース、リガチャー、そしてレジェールである。


家につき、ケースを開けるとケーンのリードABがこちらを見ていた。
その視線は、まるで裏切り者を見るかのような目であった。
「お前は・・・ パンドラの箱を開けたんだ・・・!」
私はそんな声を「いや、ケースを開けただけじゃないか。」などと返し、ケースの奥に追いやった。これでいい、これで良いんだ...

こうして、私とレジェール・シグニチャーの蜜月は始まったのである。
2014年、8月とかそんぐらいのことである。



・ω・



先生のところに早速レッスンで持って行ってみると
「ちょっと重いね。」
などと言われたが、恋は盲目である。そんなもの全く気にせず吹いていた。
「でもリードに対して一喜一憂しなくて良いんで、すっごく良いです。」

何せ、今までは10本をローテーションで吹き、また開封時はケーンに水分をあまり含ませないほうがいいからなどという配慮をする必要があり、最初は数分吹いたらローテーション、などというシステムを作る必要があった。
しかもそれだけ配慮しても、1箱(10本)で使えるリードというのは2,3本残るかどうか。更にはその2,3本すら期間としてはそんなに期待できない。
リードというのは、それだけ難しい問題といえる。
「そんなにオレのこと考えてなかったろ・・・!」というケーンリードAの声も聞こえるが、一応表向きそのぐらい考えているっていうことにしている。から、そういうことでこの後も続ける。



さて、レジェールのおかげで練習の時間をストレスなく確保出来るようになったある日の事。
「もっと、早く出会っていれば良かったのにね。K。」
いつしか、レジェールが私に語りかけてきた。
「俺、前からお前の事気になってたんだぜ。お前は全然気が付かなかっただろうけど、前の先生に習っている時からお前のこと知ってたんだぞ!」
まるで聖司くんである。
「俺なら、お前が外で吹くときも、しばらく休憩して再開した後でもそのまま吹けるんだ。だから、安心して吹いてくれよな。」
だんだんゲームかなんかのキャラクターと化してきたレジェールとの蜜月は、ここからしばらく続き、試験もレジェール。ブラスもレジェール。え・び・え・びで!れじぇぇる!!と替え歌を作れるレベルまでいくほど、レジェールに1本化していくのであった。

この後、翻弄され続けるとも知らずにー・・・。



次回、連続Blog小説「レジェール 〜そのリードは最強か」 第2話、ご期待ください。




って誰がするかッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


〜この物語は個人的な主観を元にしたフィクションです。

2015年10月15日木曜日

ブロガー歴11年目

今年、10年ぶり?ぐらいにハバネラサクソフォンカルテットが来日するらしいです。

SAXOFOCUS!!の名に相応しいこと言ってみました。
じっちゃんの名にかけて!! Kです。いや、違うだろ、SAXOFOCUS!!の名にかけて、だろ。

そのハバネラSQですが。
先日参加してきたサクソフォンコングレスでも演奏会があったものの、残念ながらキャパが小さくあっという間に満席。
ということで、未だ聞いたことがないんですね。

10月23日(金)と、24日(土)にもコンサートがあるんだったかな。
青葉台のフィリアホールという東急スクエアの中に入っているホールです。
(それにしても、このホールのHP見ててもアクセスを表示するバナーがわかりにくい... ので、行かれる(けど場所わからないので調べたい)方は、「フィリアホール アクセス」とかでググることをおすすめします。
ちなみにトップページでは右上に、他のページを閲覧している時には一番左下に小さく「交通アクセス」とあります)
最近カルテットやり始めた方も、そうでないかたも、如何でしょうか〜。ってどこの回し者なのか!w

詳しくはサックス3大アマチュア(と、私が称している)のkuriさんのブログあたりをご覧頂けたら。現在そのハバネラSQ特集開催中のようです。


∠(`・ω・´) /


最近、友人がBlogを開設したのを機に、そういえばそろそろ10年経つんじゃね?と思って旧Blogを見てみたら、あ〜、10年経ってました。
てことで、ブロガー歴11年目になったわけですが・・・

せっかくなので、何で作った?とかちょと振り返ってみようかと思います。

開設のきっかけ

私がはじめてBlogを開設して投稿したのが2005年9月28日。14歳の時かな。
その頃から丁度波多江先生に習い始めており、先生がもともとブロガーだったんですね。
世の中的にも2004年とか2005年とかってブログブームがじわじわと広がってきている時でもあったのですが、その時は「ふーん(まあ関係ないや)」ぐらいにしか思ってなかったものの、波多江先生の思わぬ一言でやってみることにしました。


「ブログやってみれば?」


そのまんまやな!!!!w
でも勿論この発言には理由があって、先生のブログにコメントをたまに残すんですが、毎回毎回長いんですよね。
で、そんだけ書きたいことあるならやってみりゃーいいじゃん!wってまあそういうことだったかと思います。

元来、言いたいことをたくさん持っている性分なので、しばらーく毎日書いてました。
多分高校生の、、、 いや、浪人1年目ぐらいまで?だったっけ?
なんかもう発信したくて発信したくてしょうがなかったんでしょうね。笑


書いてた内容は今よりもーーっとパーソナルなことブチまけてました。
中学生の時は部活で楽器をやりつつ習い事として?波多江先生のところにレッスンに行き始めていたので、部活の話やらレッスン記録も公開してたなー。
とはいえ、人のことをネタにするわけにいかないのと、一応身内ネタはそんなに書かないようにはしてましたが、・・・久々にちょっとだけ見ただけでも、十分内輪でしたw
この頃はまあ、中学生の時のみずみずしさっていうか若々しさていうか初々しさみたいなものでブログの9割が構成されていたように思います。
それはそれで、上手いことやってたのかもね!w


高校生になると、行ったコンサートの話は勿論、その時取り組んでいる曲の話とか、実は高校生ぐらいが一番音楽(サックス)の割合が高かったかな。
自分がこの頃からセミナーとかに積極的に参加していくようになったので、その時の体験記とかもいろいろとあります。
(正確には、そもそも波多江先生に初めてお会いしたのが北海道で行われていたセミナーでしたので、その頃から行ってはいました。ただブログはなかった。)

赤裸々率は高校に入るとやや下がりますが、今よりは高め。

というか、大学生になってから最初のほうは毎日書いてましたが、途中から更新頻度を落とすんですよね。

SNSの台頭のせい?

ーは、多少あると思うんですけど、必ずしもこれだけじゃありません。
なぜなら全然用途が違うからです。
メモみたいな感じだとTwitter, 短めの文章で何かを紹介する場合はFacebook, それらのSNSで紹介したことをもっと膨らますor長めの内容を書くときはBlog, など。

単に、自分の考え方がちょっと変わってきた、とまあそんなところです。


大学入ったあたりからちょこちょことお仕事を貰えるようになり、また貰えるようになりたいなと思った時に、あれが出来ないだのこれが出来ないだの、こんなことで悶々としているだのとここにブチまけるのは如何なものかと思いまして。
なんていうか、「プロとして相応しいか」というのを考えると、多分Noかな、て。

たまぁ〜に書くといいんですけど、なんていうかアマチュア臭いを通り越して学生くさいというか(まー学生なんだけどね)。
Twitterとかだと「出来ない〜〜 イライラする〜〜」とか書いてることもしばしばあるんですが、そこはご愛嬌で...笑


あとは、最近その「こういう困難があって、今こうして立ち向かおうとしているor立ち向かってこうなった」みたいなドキュメント的なストーリーを作って売っていくっていうのが多分主流だと思うし、実際Facebookとかでもイイネが伸びるのはストーリーがあるものだと思うんですね。
(教えてもらった例として、単に「高級ワイン開けたよ!」だけだとふーん、ぐらい。
「母の誕生日なので、久々に実家帰って高級ワイン開けてみた!」とかだとイイネってなりやすい、とかとか。)

でもそれを自分のモノとして売った時の弊害?として、実際に自分が創りだした結果(演奏)よりも、そのプロセスそのものが消費されている気がして、ちょっと嫌なんですよね。
といいつつもプロフェッショナルとか大好きなのでなんとも言えないんですけど...
なかなか得体が知れないかもしれない?フリーの演奏家を身近に感じてほしいからプロセスとか心の変化も公開してましたが、演奏をやるからにはその演奏を聞いて欲しいというのがホントのところです。
身近に感じて欲しい、ということそのものは目的ではなく、演奏をそもそも聞いてもらうための通過点みたいなところだと思ってます。

なのでまあ、裏話みたいなのを書くにしても、事後報告のように書いている、というのが大学入学以降ですかね。
その起こっている最中は、せいぜい自分の身内としゃべるくらいかな。


結果、その中で書けるものってなると、

  • 読書感想文
  • 演奏会感想文
  • 映画感想文
  • 旅行記・体験記
  • 見たテレビの話

みたいなところになってくるんですよね。

一見当たり障りもないようなトピック。
ですが、何を書いても必ず自分の意見やポリシー、考え方が反映されるというのは言わずもがな。
そのへんは、小出しとはいえ一応自分の考え方も紹介?しつつ、書いたりしています。そこは書きやすいように、書く!


気をつけていること

例えば、極力正しい日本語を使うこと。

どうしても若い人は、「今ドキの若者は日本語がなっとらん!」といつの時代も言われるものですが、こうして何年も文章を(毎日ではないとはいえ)書いたり読んだりしていると、誤字脱字は勿論言葉遣いも気になるし、しゃべる時も自然と気を使うようになります。

例えば最近多い「○○させて頂きます」とやたら紋切り型のように言う、あれ。
「○○させて頂きます」ていうのは、一体誰の許可を取っているの?とかもうちょっとスマートに言わない?とか、もういろいろ突っ込みどころ満載で聞く度に結構イライラしてます。
勿論、この言葉自体が間違ってるわけじゃなく、正しく使っていれば良いんです。
ただそれ違うでしょ?へりくだりすぎて何が何だかよくわからないよ?なんてことがしばしば。。。

「実家に帰らせていただきます!」とかそういう一方的な押し付け(でももう耐えられないわ!!)、とかならそう言うのわかるんですけどね。

ということで、自分の言葉を棚卸しする的な側面はあると思います。



あと気をつけていることは

  • 見やすいか?
  • 読みやすいか?
  • 「とか」がやたら多くなってないか?(やはり言葉遣いだね)

とか(←あ、使った!)、そんなところでしょうか。


Blogをやっていて良い事

以前は

  • 人脈広がるよ

でした。が、最近は別にfacebookあるし、twitterもある。
いろいろと追いかけるのがラクになった分、一つ一つをキャッチアップしてもらうのは非常に難しいし、ちょっとここはなんとも言えない。
ただ、Blogのコメントで広がる人脈は、確実にその話題(カテゴリー)に興味のある人っていうのがわかるし、会話をすることで関係を構築する分、顔は見えずとも考え方とかは見えますね。
facebookやTwitterだと、友だちになったor相互フォローしても一切かかわらないとかも出来ちゃいますから。それって意味あるのだろうか...



  • 文章力アガるよ。

自分で書いといて懐疑的なんですがww
だって私の文章はブログを長いことやっていたからではなく、読書量が上がったから変わっていったんだもの。
あ、でも確実に言えるのはBlogでもないと長い文章書かないなーって人は是非やってみるといいかもしれないですね。
facebookはやっぱりそんな長い文章向かない気がします。



  • タイピング速くなるよ

先日、何気なくPCを打っていたら「ブラインドタッチなんですね〜」なんて言われたんですけど。
全然気にしてなかったけどそういえばそうでした・・・。但し、めっちゃ我流ww

私と同い年とかちょっと下のデジタルネーティブの世代だとブラインドタッチなんて当たり前なのかもしれませんが、それよりも上になると案外そうでもないのかもしれないなと最近思った次第。
ちなみにタイピング速くなると、なんかもう手で書くとか遅すぎて嫌になります。といいつつ手書き大好きだよ。てことで、バランスですね。



  • ネタ探しうまくなるかも?

もし毎日書けって言われたら恐らく今でも出来ます。なぜならそれなりに「これネタになるな」とか、ネタがないことすらネタにする事も覚えたので...苦笑

それって何の役に立つの?って?
なんでも役に立つんじゃないですかね。本当に必要かどうかはわかりませんが、巷で言われる雑談力ってのの一つや2つはアガるかもしれませんよ。
そしてつまらなさそうなネタをどうやって面白くみせるかっていう、所謂プレゼン能力的なところも頑張ればアガるのでは?なんて思います。



正直、読み手の事を考えるなら、PVとか考えるなら、一つのトピックに絞った方がいいかもなとは思ってます。
本の事を書くなら本のことばっか、旅行のことなら旅行、スポーツならスポーツ、とか。

ただ、別にやりたいようにやればいーじゃん、が本音ですw
難しいこと言わずに、とりあえず完璧にやるよりも一回やってみたまへよってなところですね。



ーていうスタンスでやってるので、いろいろと紆余曲折ある私ですが、SAXOFOCUS!!共々11年目もどうぞよろしくお願いします!!!


長くなりました。ではでは、Kでした。

2015年10月7日水曜日

常に片手を空けておく

人は私をミーハーだのテレビっ子だのと言います。

ミーハーは否定しないかな。
でもテレビっ子はちょっと嘘。

ドラマはまあまあ見るんですけど、ワイドショーとかバラエティは全然見ないんですよね。
見るのは細かすぎて伝わらないモノマネ選手権ぐらいです。(そう、それだけは見るw)

といいつつ、私のボキャブラリーを形成したのは、間違いなくドラマです。ってテレビじゃん!!!
ということで、生粋のミーハーであり似非テレビっ子のKがお送りします、SAXOFOCUS!!でございます。張り切ってどうぞー!!!


(σ・∀・)σゲッツ!!


9月末にあった、六本木未来大学てのに行ってきまして。
これっていうのはシリーズもの?の3回めで、私自身が行くのは2回め。前回行けなかったので。

コピーライターの方が"デザイン"について語っていたり(1回め)、今回は映画プロデューサーである川村元気氏が「映画を"デザイン"する」ことについて語ったり。
1回めの小西さんはあまりよく知らないまま面白そうだな〜と行ったのですが、今回はその川村元気さんて方に興味があって行ってみたのでした。


川村さんは映画のプロデューサーとして、世に「電車男」「モテキ」「告白」等を送り込んだ人で、最近は小説(「世界から猫が消えたなら」他)や、あとビジネス書?(「仕事。」)も書かれてます。
私はその「仕事。」と、片山正通さんが出してるInstigatorというシリーズ物の2冊めで知った覚えが。
(この本は、建築家の片山正通さんが、ご自身が教えているムサビ?でやっている特別講義を書籍化したもの。)

とはいえ、この後者のほうの本の事をあまり覚えてないまま参加。
実際行ってみて、いや〜面白かったです。


詳しいことはそのうち講義録みたいなものがサイトにまとめられるので控えておきますが、内容としてはご自身がプロデュースした映画っていうのはどういう狙いや仕掛けがあってヒットしたのか、みたいなのを解剖していくことで、映画をヒットさせる?為のデザインを説くってなところです。

お話を聞いていて、なんていうか「新しいな〜!」みたいなのよりは、なんか似てるなぁみたいな点が多かったりとかして、何か自分が既に持っているものと照合しながら聞いている感覚でした。
とはいえ、やはり着眼点が違うんだなあとか思うことも当然ありましたが!

こうやって人前で自分の思考について話すっていうのは今まで自分がやってきたことの追体験のような感じだと思うので難しいだろうに、いとも容易く話してらっしゃるのを見ると、慣れている(よく話している)のか、もともとまとめるのが上手なのか・・・
でも翌々思うと、自分が「こんな映画作りたいんだけど」ってなった時に話すのが下手だったら伝わらないし周りも巻き込めないわけですから、彼は話すこともまた仕事なのだろうなあ... 話し上手になりたいものです。
(書くのと実際しゃべるのは違いますからねー)


印象に残った話をひとつだけ。
最近映画のプロデューサーだけでなく他のこと(それこそ本を書く等)もしているけれど、大事にしていることは?というような質問に、「常に片手を空けておく」というような回答をされてたんですね。

優柔不断、がテーマみたいなもん、と語ってたのですが、要は「オレはこれをやるんだ!!」って決めちゃうと、いざ飛んできた思いもよらないチャンスをつかめないから、と。
勿論、バスッと「オレはコレをやるんだ!」て決めちゃってもいいんだろうけど、敢えて決めないことを選択することで、いろいろとやってらっしゃるよう。

あ〜、なんかその感覚わかるなあというのはあって。

そりゃ、音楽やっていきます!って私は決めてるようなものですが(ていうか決めてるんですが)、でもだからといって次はこういうコンサートやってこういうコンクールでどうのこうの、とか厳密にはあんま決めてないんですね。
そのほうが目の前に飛んできた「これやらない?」っていうのに乗っかれるかな、それで面白いことしたいかな、みたいなのが少なからずあるからです。
そういう、思ってもみない事に飛びつく事も大事かな、と。
とはいえ、ある程度は外したくないから、片手は逆に塞いでいるのかも。。(これは私の場合)

私はよくそれを「暇そうにしてる」とか言ってます。
暇そうにしてた方が話しかけやすいじゃないですか。お店の店員さんとかもそうですけど、忙しそうに働いてる人になかなか声ってかけづらいかなってそういうことですね。



ところで、その川村さんが最近手がけたという「バクマン。」を見てきました。
というか、最初はごめんなさい全く興味なかったんですけど(「まーた実写化かい。」的な感じで)、そのバクマン。の制作の裏側とかも聞いたら見たくなっちゃって。
感化されやすいなあオイ!w

漫画は1,2巻をちょろちょろっと見たことがあっただけなので、大筋はわかっているけどディテールとかはあまりわかっていない。ーていうのが良かったのかもしれないけれど、面白かったですよ。
全編音楽がサカナクション、とかいうのも新しかったし、漫画を書く、という映像的に不利(というか地味?)なものをどう描くのか、とか。
言われるまで映像的に不利とか考えてもみませんでしたが...苦笑
ひじょーにエキサイティングな映画でした!

そして感化されやすいワタクシは、気がついたらこんなものまで買ってました。


サカナクションの「新宝島」(シングルだよ!)のバクマン。BOXなるもの...

(通常版の)シングルに加え、サントラをリミックスしたCD、あと特典映像DVDなるものがバクマン。を描いてる小畑先生のBOXに入ってるぞ!っていうシロモノです。
いやあ、今のところサントラのCDが出てないってことで、この後サントラのCD出るかもしれないのに衝動で買ってしまいました...
30分強ぐらいのワントラックでサントラが収められていて、むしろちゃんとサントラとして出ているようなものよりも良いのかも?と思ったりなんかしてます。



川村さんが「何ヶ月後、何年後かに皆さんとまたどこかで仕事とかでお会いできるの楽しみにしてます」なんて仰ってましたが、映画の業界じゃなくても片手空いてればなんかチャンス来るか!?なーんて思ったりしているKでした。

ちなみにこの講演の後、億男を買って速攻で読んだというのもここでご報告しておきましょう...ミーハー...です...!!


はい、またねー。